Ninjutso Sora 4k wireless レビュー

ゲーミングマウス

xm1クローン最軽量として一定の評価を博していたNinjutso Sora。

そのSoraの問題点であったコーティングとスイッチを改良し、流行りのポーリングレート4000hzに対応したイケイケマウスになったSoraを今回はレビューする

Soraの特徴

Soraは50グラムを切るxm1クローンとして2022年の12月に販売開始されたマウス。xm1クローンと呼ばれるものやそれに近い形状のマウスはたくさん作られていて、最近では半ばスタンダード化し始めてさえいる。だけどその中に50グラムを切るほどの超軽量マウスはそれまでなかったんだ。
そんな中Katanaなどの軽量無線マウスを作っていたNinjutsoが突如45グラムという数字を引っ提げて発表したのだから、デバイス沼にはまっている奴らからすれば寝耳に水だった。

欠点はあった

ここまでだとスペックつよつよxm1クローンなのだけど、好評ともに明らかな欠点にもユーザーは気づいたんだ。それは以下の二点。

  • サラサラすぎるコーティング
  • 硬い上に跳ね返りの強いメインスイッチ

まずはコーティングなのだけど、あまりにもサラサラすぎて手の平とのフィット感が全くなかった。発売時期が12月で普通に出回り始めたのも2023年の1月あたりだから、一番乾燥していた時期にサラサラのコーティングを発売したことになる。なのでxm1のコーティングから移行した人は面を食らうこととなった。
メインスイッチの感触は好みの話でもあるから判断が難しい。だけどSoraのスイッチが硬めなのは明らかで、俺としては歯切れが良くて好きだったけど硬くて疲れる!って人も多かった。特に脱力してマウスを持つ人からすれば、軽量マウスを使っているのになんでクリックで疲れなきゃならないんだと感じたことだろう。

欠点を克服した4k

基本的なスペックは変わりないのだけど、4k版はこれらがパワーアップした。

  • ポーリングレートが4000hzに対応
  • コーティングがサラサラのものからペタッとした感触のものに
  • スイッチがメカニカルから光学式に
  • バッテリー容量が250mAhから300mAhに増量

以上の四点。

ポーリングレート4kは体感できない

はっきり言って期待外れ。もちろんポーリングレートがちゃんと機能していないとかではなくて、しっかりと4000hzまで出ても体感はできなかった。

そもそもポーリングレートというのは一秒間に通信する回数のことなんだけど、1000hzの時点で1秒間に1000回通信していることになる。つまり通信の遅延は最小で1/1000秒、0.001秒になる。4000hzだと1/4000だから最小の遅延は0.00025秒というもはやよく分からないレベルになる。

それではこの0.00075秒の違いをいる人間はいるか?いや、いない。元々1000hzでも十分すぎるくらい高速で、1000hzで遅延があって困ったと感じた人はいなかったはず。要はポーリングレートに求められる性能は1000hzで頭打ちになっている。

コーティングは優秀だけど万能ではない

サラサラからペタペタに変更された。このペタペタって表現が適切じゃないというのは分かってるけど、これ以外になんて表現すればいいか分からない。
ちゃんと説明すると、乾燥しているときは今まで通りサラサラしていて、少しでも水分があるとペタッと張り付くようになった。この水分って言うのは少量の手汗でも十分だから、マウスを使って一分も経てばフィット感を感じられる。

この新感触に好みはあるだろうけど、何をどうしてもサラサラでてから抜け落ちるコーティングと比べれば明らかに改善している。つかみ持ちにおいて手の平とのフィット感は超重要だから、この改善は4kに対応していないバージョンでも対応してほしいところ。

硬いスイッチから平均的なスイッチに

スイッチはかなり平均的な感触になった。光学式になったからフニャフニャだとか、跳ね返りが弱いということはなく、それなりの硬さとそれなりの跳ね返りでかなり気を遣ったであろうことが分かる。どれだけ顰蹙を買ったのだろう。

個人的には不満

硬いスイッチが不満だというのは分かるけど、跳ね返りまで普通になったせいでクリック連打がしづらくなった。セミオート武器や指切りをする機会はどんなFPSでもあるのに、その連打がやりづらくなっている。
軽い力でクリックできて、力を抜けば強めの跳ね返りでクリックが戻ってくるというのが俺の理想的なマウス。ユーザーの意見を取り入れているのは分かるけど、前のスイッチが好みだった層を取りこぼしているのも間違いないので我を保ってほしい。

バッテリーは50mAh増加して使用時間が伸びた

重量を数グラム増やした代わりにバッテリー容量が増えた。ポーリングレート4kに対応したのでそれにふさわしいチップに変更されているけど、1000hzで運用すればそこまで消費電力は変わらないはず。数グラムで使用時間が十時間以上伸びるなら許容範囲内。

これまでバッテリーで不満を感じたことはなかったし、特に恩恵を感じることはないと思うが数グラム増やした以上の価値はあると思う。少なくともプラセボ程度のポーリングレート4kよりは。

4,980円アップしコスパは悪化

17,980円。高い。マウスに出すお金ではない。まあ半分レビュー目的に購入したから後悔はないが、コーティングとスイッチとポーリングレート4k、バッテリーで5,000円というのは安いようでかなり高い。

感覚がマヒしがちだけど5,000円は大きい金額だし、何より12,990円で同じ形状同じセンサーのものが買えるのに追加で5,000円出すのは金持ちの思考だ。というか今なら6,000円もあれば同等のスペックの中華マウスが買えることを考えるとコスパはかなり悪い。まあ中華マウスのコスパがおかしいのもある。

5,000円あればマウスパッドが買える

ちょっと落ち着いて欲しいのだが、5,000円あればかなり良いマウスパッドが買える。Lサイズの布であればArtisanの新品が買えるし、Zowieも余裕。

  • 通常Sora+マウスパッド
  • 新Sora

この二つで新Soraを選ぶ奴はいるだろうか。いや、いない。どう考えても新しいマウスパッドを試す方が価値ある選択肢。スピード系マウスパッドしか使ったことがなければコントロール系を試せるし、その逆もできるわけで。5,000円というのはそれくらいの差額だ。

総評: モノは間違いなく良いがコスパは最悪

マウスとしては素晴らしいのは間違いない。重量は50グラムに満たないし、4kにも対応しているしxm1形状と改善されたコーティングと、スペックにケチは付けられないだろう。

しかし中華マウスが猛威を振るい始めている状況で、17,980円は強気に感じる。通常版が12,980円で買えるのだからわざわざ4kを試す・良いか分からないコーティングを試す・スイッチの感触を試すというだけで買う価値はない。だがモノは良い。でも普通のSoraでいい。

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